The 13th SSER Group-N参戦記’02 11/9

行ってきました、四国のSSER Group-Nに。今年で4回目の参加となった。正式名称は“ラリー・ガストン・ライエ・クラッシックSSER Group-N”という。なんでも4年前からあのパリダカ優勝経験のあるガストン・ライエ氏を招いて以来、この名称になったらしい。このレースの特徴は、リエゾンと呼ばれる移動区間とSS(スペシャル・ステージから成り、SSでのタイムアタックによって順位を競う競技である。当然保安部品を付けて道路交通法下で走行しなければならないのだ。(SSを除く)

11月7日(木)四国に移動する。何時もの事だが時間に追われながら慌ただしく晴海のフェリーターミナルに向かう。追い込まれないとやらない悪い癖がでた。前日夜遅くまでマシンの整備、及び荷物の準備に追われた。中でもヘッドライトのチューンには一番悩まされた。大阪のスーパーモトリンクの喜谷氏に発電機の容量アップの為にACジェネレーターをリコイルしてもらう。それを自分で組み込み、XLR250BAJAのデュアルライトを取り付ける。ろくにテストもせずにいざ出発!フェリーに乗り込むと1時間ほどで爆睡モードに入ってしまった。

8日()徳島到着。松山まで下道をだらだら移動する。約200キロほど走ってしまったので、ニュータイヤが既に一皮剥けた状態になる。自走の辛いところである。その日の夜、愛媛県地方は大荒れの天気だった。しかも雷付きの。きっとこの雨でコースはスリッピーで走りずらくなっていること間違いないと思った。よっぽど日頃の行いがいいのかな???それとも試練なのか!

9日()大会当日、軽くマシン整備とゼッケンを貼り会場である久万町のふるさと旅行村へ向かう。途中峠付近で雪がちらついて来た。道路わきに積雪あり。いやな予感がした。会場到着後、受付、車検を受ける。このレースはSSERが主催するレースの中で、ゆういつビギナーが参加できる大会であるが、今回に限ってはツワモノばかりだときずく。どのバイクを見ても傷だらけなのだ。各バイク、オリジンナルのヘッドライトの改造をしている。もうH.I.Dの装備はこのレースでは常識なのだ。

今回の有名人参加者は、多くの海外レースに参加している田中友紀さんである。彼女のバイクはなんとBMW R115GSだった。とっても重そうなバイクである。俺だったらとてもじゃないけどレースなんかに使おうと思わないよ! よっぽど難所でもがくのが好きなのかな?彼女の遊び心には、感心させられるよ。それにしても結構外車が多いな。BMW, KTM, VOR, tm, Gas Gasなど、それと2ストが目立つ。

17:00ゼッケン順に4台ずつ1分間隔でスタートする。周りが山なので自分のスタートの順番の時には、すっかり闇に包まれていた。今回のコースは距離約130km、SS(スペシャル・ステージ)8本だ。SS1に向かう途中の林道で調子にのって走っていたら、コーナーでまさかの転倒。ちょっと気負い過ぎたかな。すばやくバイクを起こし再スタートした。右手親指付け根に少し痛みを感じたが、気にせず先を急ぐ。これが後々影響してくるとも知らずに。

最近1年半位ナイトランしてないし、加えて鳥目の自分は、はっきり言って夜は苦手である。昼間と比べると極端にスピードが落ちるのだ。

SS1入り口に到着。15秒間隔で1台ずつスタートする。ここはコンクリートの沢を7箇所ほど渡らなければならない。しかも渡りきったところがガレ場になっていて、慎重にラインどりしないとゴロゴロ石の餌食になってしまう。結構テクニカルなSSだ。距離もそんなに長くなかったが、各バイクのスタート間隔が、短いのでバトル状態が続く。前のバイクの様子を見ながら確実に走る。1台に抜かれて2台抜く。スタート直後の沢の手前で道が右前方に急に曲がっていた為、数台のバイクがそのまま突っ込んで沢の餌食になっていた。

SS2及び3はとくにギャップ等もない林道だったが標高が高い為、一部積雪があるところがあった。体が固まってカメさん走りになってしまった。それにしてもまだまだ調子が上がってこない。後ろからは追っ手が近ずいてきてあっという間に抜き去っていく。しかも置き土産に石が飛んでくるのだ。俺って初心者なのかなぁ〜、と落ち込む。さっき転倒した時に痛めた右手親指に激痛が走る。親指曲がんねぇ〜よ!しょうがないから親指以外の指でアクセルを握り、レースを続けた。

今回のメインのSS4に向かう???はずだったがなんとミスコースしてしまった。どうやらコース・マークを見落としたようだ。なんてこった!おおよそ30分近くウロウロしてSS4の入り口に到着した時には、グループの最後尾の方になっていた。気を取り直してスタートする。このSSは約10kmほどの林道を走った後、モトクロスコースを1周してゴールするコースだった。どうやらゴール前のモトクロスコースが難所だなと思い手前の林道をこけないように確実に走る。だいぶ暗闇に目が慣れてきた。しかも調子も上がってきた。なんだかしらんがリズム良くガンガン走っていたらあっという間に3台ほどパスする。おもしれー!やがてコースは、林道からモトクロスコースに変わる。モトクロスコースと言っても山の斜面を利用したコースで、どちらかと言うとエンデューロコースだなこれは。それを主催者がコーステープを使って、いやらしいルートを作っていた。しかも前日の雨でスリッピーでドロドロ状態、上ったり下ったりした後、直ぐにコースが直角又は鋭角に曲がっているので非常に走りずらい。暗闇の中では、ライトの明かりが前方しか照らさないので、ルートがどっち方向にあるか解からず、その度に止まってコースマークを目で追ってルートを探す。1回転倒したものの大してタイムロスもせずゴールした。途中スタックポイントでかなり渋滞していたが、その横をトコトコとトルクを使ってクリアする。さすが400ccのトルクは絶大である。マシンも自分も全身泥まみれになった。ここでは20台くらい抜いたかなぁ〜。それにしても、こんな所ビックバイクで走るやつはすごいよ!

ミスコースでのタイムロスとそろそろ空腹になって来たので、ほとんど休憩もとらずゴールをめざす。とは言ってもまだSSが4本も残っていた。SS5を除いたSSは、(SS6SS3SS7SS2SS8SS1)逆走だった。

行きに手こずった積雪があるSSも減速せずにガンガンに走った。少しぐらい滑ろうが全然怖くなかった。でも最後のSS8だけは慎重に走る。行きの逆走だから沢の手前がガレているのだ。そして午後10時半頃無事にゴールした。

はらへったぁ〜!!ビールのみてぇ〜!そそくさと着替え夕食を食べる。みんなそれぞれの走りをネタに盛り上がっていた。ちなみに負傷した右手親指付け根は見事なほど腫上っていた。

始めにも話したが、今回で4回目の参加だったが、最も楽しめた気がした。順位はともかく!!!それにしてもみんな遊び心が豊富だ。転倒しようが、スタックしようが苦痛な顔を見せる者は誰一人いなかった。かえってそれをネタにして自慢しているのだからすごい!そういう自分もその中の一人だったけどね!ただちょっとだけ悔しかったのは、レディースのトップに8分差つけられたのと小排気量のセローや50ccに追いつけなかったことかな。まったくどんな走りをしているのか見てみたいものだ。それにしても四国勢は地元だけあって相変わらずはやいなぁ〜。次回は絶対にH.I.Dを付けて参加するぜ!欲を言えばもうちょっと林道速く走れるようになりたいなぁ〜。翌朝レースの余韻にひたりながら四国をあとにした。